人に観る美しさ
人に観る美しさ
整体師という職業柄でしょうか、道行く人の姿を観察してしまいます。
歩き方、揺れ方、傾き方、たたずまい、など。
そうして、あの感じだとあそこに負担がかかってそうだな、とか、あの捻じれ方であの症状がありそうだな、とか、となればどこを調整すれば、とか。
そうしたなかで、中には『美しさ』を観じる方もいらっしゃるわけです。
そういう方をたくさん見ている中で気づくのは、美しさはどうやら、姿勢が美しいから、解剖学的に正しい姿勢であるから、というわけでもないのです。
もちろんそういう方もいらっしゃいます。ところが、必ずしもそうではないのです。正しいと言われている姿勢ではなくてもそこに美しさがある、のです。
そこに感じるのはやっぱり、平穏や静寂、落ち着き、リラックス、柔らかな空気、といったところでしょうか。そういうものを醸し出したり表現される方は、表面的に見える姿勢はあまり関係ないのです。
体がリラックスすると、調和がとれると、自然と調和の取れた姿勢になり、それが解剖学的に正しい姿勢、ということになることもしばしば。そのため一つの基準、目安としてそれを活用しはします。しかし、必ずそうでなければならない、ということでもないのです。
本人様の中で調和が取れること、これが一番大切なことのように感じます。
あまり、常識・思い込みというものに囚われてしまいませんように。